鉄婚旅行（２）～都内彷徨編～

5月4日

渡辺美里が西武ドームでのスタジアムライブをやめた翌年から始まった美里まつりだが、熊本や山中湖など仙台から参加しようとすると参加しにくい場所での開催が多かった。最後に美里まつりに参加したのは2008年の横浜赤レンガ倉庫でのライブだったが、その後も仙台などで何度かライブを見に行ったりしていた。

昨年のGWに日比谷の野音で美里まつりをやると聞いた時に参加したいと思ったが、既に申し込んでいた屋久島ツアーとバッティングしていたため参加をあきらめた。

今年は5月4日に野音で美里まつりを行うと聞いて、ライブに参加できるように東京から近い丹沢を選んで登ることにした。

そういう訳で5月4日はライブに行くことに決めたものの、ライブは16時開場・17時開演でそれまでの具体的な予定は立てていなかった。漠然とスカイツリーに行きたいと思って、浅草のホテルを予約したものの、朝早く行かないと何時間も待たされると聞いて行くのを躊躇ったりした。

結局、ホテル近くの公園で自転車を借りて、スカイツリーを眺めながら隅田川沿いや浅草周辺をぶらぶらすることにした。

隅田川右岸の堤防から眺めたスカイツリー。逆光なのでどんな風に撮ろうかトライした中の一枚。

桜橋を渡って左岸に。

桜橋の近くに桜餅で有名な店があるというので行ってみた。販売と店内でのイートインを行っている。

店内にはテーブル席と緋毛氈を敷いた縁台があったが、テーブル席は埋まっていた。桜餅を注文して縁台に腰掛けて待っていると、ほどなく桜餅と煎茶が運ばれてきた。

普段目にする桜餅は一枚の桜の葉で餅を包んであるが、この店の桜餅は二枚の葉で包んである。二枚とも食べてもいいが、一枚を外して食べるのが本来の作法らしい。甘さを抑え気味の餡がとてもおいしかった。

店を出てからもう一度桜橋を渡って、花屋敷や浅草寺の周辺をみて回るつもりだった。ところが行ってみると観光客が歩道にあふれて、自転車で通行しようにも思うように進まない。これなら自転車なんかない方がいいと思い、4時間の予定で借りた自転車を2時間ぐらいで返却した。

昼前でライブにはまだ時間があるため日比谷へ向かうには早すぎるので、翌日行くつもりだったメキシコ料理店に行くことにした。

2002年に仕事でメキシコに行った際に、現地で食べたメキシコ料理が意外に口に合うことがわかり、それ以来何度かタコスやブリトー、メキシカンチキンなどを福岡のメキシコ料理店「エル・ボラーチョ」からお取り寄せしていた。メキシカンチキンは一羽丸ごと料理したものを真空パックで送ってくるのだ。福岡に行くことがあったら是非行ってみたいと思っていた店が、日本橋のコレド室町２に出店したと聞いて、今回の旅行中に行こうと思っていた。

店に着いたら丁度お昼時だったため、店の前に何組か並んで待っていた。店に入ると男性店員はみんな髭を生やしていて、メキシカンな雰囲気を醸し出していた。メキシコでは髭を生やさないと一人前と認めてもらえないそうで、現地にいる時は他の同行者と一緒に髭を伸ばしていたが、あまり綺麗に生えそろわないので途中であきらめて剃ってしまった。ここの店員はいい雰囲気だしてたなあ。

土日祝日のランチはメニューが限定されていて選択肢があまりなかった。私はタコスランチ、妻はメキシカンチキンのランチを頼んだ。追加でブリトーを頼めないか訊ねたら、ディナータイムならできるんですが、と断られた。店の混雑ぶりを見たら、それも仕方ないかと諦めた。最近はばたばたしてお取り寄せをしていなかったので、久しぶりに食べたが、どれもおいしかった。

昼食後は好日山荘銀座店に行った。5月4日は私の誕生日だったので、プレゼントを買って貰った。

ライブ会場の日比谷野音は好日山荘から目と鼻の先。歩いて行ける距離だった。

久しぶりの美里まつりは楽しいライブだった。前日までの登山の筋肉痛にもかかわらず自然に体を動かしながらライブを楽しんだ。久しぶりのウェーブは、会場がスタジアムと比べて狭いために戻ってくる周期が短くて、ちょっと慌ただしい感じがした。いつからウェーブの時に「ヒュー」とか「ひゃあ」とか声を出すようになったのだろうか。面白かったけど。

5月5日

せっかくスカイツリーの近所に泊まったのだからやっぱり登ってみたいと思い、朝食後すぐにチェックアウトし、スカイツリーに向かった。

前日とは打って変わって、時折雨粒が落ちてくるどんよりとした天気。眺望はよくなさそうだなあ。

展望デッキ（350m）からの眺望。東京タワーが霞んで見える。

新宿方面。

霧の中に蜃気楼のように都市が浮かんでいるかのよう。

モノクロ風に撮って遊んでみました。

展望回廊（450m）からの眺め。ビルの窓に地上の構造物が映っている。

ガラス張りの床から、恐るおそる地上を見下ろす。骨盤底筋とは違うところが、キュッ！　となった。

晴れていれば富士山も見えたはずなので、ちょっと残念な感じがした。

その後、ソラマチで買い物をして、お昼時になった。何を食べようかとソラマチのレストラン一覧を見ていたら、もんじゃ焼きの店があった。どうせもんじゃを食べるならと、月島まで行った。

月島は月曜が定休日で休みの店もあったが、観光客で賑わっていた。以前に何度か入った店を探したが店の名前が思い出せず、場所がわからなかった。休みだったのかもしれない。おばちゃんが元気で、帰り際になぜかビニール袋に入ったパンをくれる不思議な店だった。パンはちょっとボソッとして、特別おいしいというわけではなかったが、強烈な印象が残っている。

仕方ないので、営業している店に飛び込んで、ベビースター・チーズ・カレーもんじゃとツナ・明太子・チーズもんじゃを食べた。今度は自宅でやろう。

前半の丹沢のハードさに比べて、後半は行き当たりばったりのゆるい旅だった。

さて、来年はどこに行こうか？