木婚旅行~屋久島に行ってきました~(4)
5月3日 縦走二日目
いよいよ縄文杉とご対面である。
午前4時に起床して、身支度を整え、トイレに行ってるうちにいつの間にかテントが片づけられていた。ガイドさんの見事なお手並みである。
まだ夜が明けきらぬ午前5時過ぎには準備が整い、各自ヘッドランプやハンドライトの灯りを頼りに縄文杉目指して歩きだした。
歩いているうちに次第に明るくなり、およそ1時間15分後に高塚小屋に到着した。朝のうちはまだガスがかかっており、幻想的な雰囲気が漂っていた。
高塚小屋。近々三階建の小屋に建て替えらえるらしい。
15分位休憩した後、出発。ここから縄文杉までは15分位だ。
縄文杉に着くと、ツアーのメンバー以外誰もいない貸し切り状態。通常、日帰りで縄文杉を見に行く場合、荒川登山口から4時か5時ごろ出発して、縄文杉に着くのは8時ごろらしい。GW期間中はトロッコ道が渋滞して、遅く出発するほど時間がかかる。まだ7時前のこの時点では、下から登って来た人は誰もいない。
根を保護するため縄文杉の前には展望デッキが作られ、以前のように近づいて直接縄文杉に触れることはできない。監視カメラも着いてるらしい。展望デッキのうち半分は、縄文杉の枝が傷んで落ちてくる可能性があるからと立ち入り禁止になっていた。ガイドブックなどでよく見る縄文杉の正面からの姿が見られなかったのは残念だ。
縄文杉をバックにみんなでパチリ!
縄文杉から5分位下ったところに休憩所があり、そこで朝食を摂った。
朝食の準備をするガイドさんと、それを見守る山ガールズと山ワイフ。ガイドさんのザックから食パンが出てきたのにみんな驚いていた。メニューはハムとチーズを載せた食パンとポタージュスープ。パンが柔らかくておいしかった。
食べているベンチのすぐそばの杉の木の根元が、まるでマグロのカマのようだった。
カマの口の中
折れた木の幹から下に向かって枝が伸びている逆さ杉。別名メドゥーサ。フィッシュアイ・ズームというヘンテコレンズで真下からパチリ!
食事をしながら30分ほど休憩し、次はウィルソン株を目指して歩きだした。
ハイノキ
子宝杉。瘤の形がへその緒がつながった胎児の形に見えることからこう呼ばれているらしいが、ガイドブックではあまり紹介されていない。この頃になると、下から登って来た登山者とちらほらとすれ違いだした。
皮がむけているのがヒメシャラという脱皮する木。皮が着いているのはヤマグルマ。着生した木に絡まりながら成長するので、別名絞殺しの木ともよばれている。ガイドさんによれば、この2本は接吻の木と呼ばれている。Q:積極的なのはどちらしょう?
A:積極的なのはヤマグルマでした。
夫婦杉。もともと別々の木だったが、伸びた枝がもう一方の幹にくっついて癒着したらしい。
大王杉。縄文杉が発見されるまでは、一番大きな屋久杉と思われていた。
段々と下からの登山者が増えてきて、すれ違いに時間がかかるようになってきた。8時50分頃に、登りの登山者の多い歩道を外れて、山側の自然観察路に入った。けもの道のような細い道だったが、所々に看板も立っていた。ウィルソン株に着くまで、登りの登山者と全くすれ違わなかった。
9時30分頃、ウィルソン株に着くと、それまでの静かな観察路とは打って変わった喧騒に包まれていた。株の中に入る人が行列し、まるでトコロテンのように中に入って、押し出されてきた。
ホントは時間をかけて何枚も撮りたかったけど、次々に人がくるので、ゆっくり撮れなかった。
ウィルソン株近傍の苔
10分弱休憩して出発し、10時20分過ぎにトロッコ道に出た。トイレに行き、水を補給して約20分休憩した。
休憩中のベンチの前のヤクシマスミレ。白いのが蕾らしい。
一時間ほど歩いたところの苔
三大杉には11時30分頃についた。
そばには、まるでモアイのような杉。
三大杉の前で昼食を摂った。昼食は海鮮ビビンパとわかめスープ。ビビンパはアルファ米でできており、レトルトの容器にはいっていた。容器内の所定の線まで水を淹れ、外側の発熱材にも薬品を入れるとあら不思議、温かい海鮮ビビンパのできあがりである。昨夜のカレーのご飯といい、この海鮮ビビンパといい、意外とご飯がおいしかったので、アルファ米の実力を見直した。通りかかった人が、「いいにおいがする。」と言っていた。
ここから30分ほど歩くと、楠川分かれでトロッコ道とはお別れし、楠川歩道に入る。ここから辻峠まではおよそ1時間は登りである。
サクラツツジ
岩盤の上の苔に種が落ち成長した木。岩を覆うように根が伸びている。屋久島らしい木の成長の仕方である。
辻峠に着くと、荷物を置いて太鼓岩に登った。GPSをザックに着けたまま辻峠に置いて行ったので、太鼓岩までのルートのトラックは取れていない。
太鼓岩からの眺め。下に見える川に沿って歩いて来た。
天気が良ければ海が見えるそうだが、いまいちはっきりしない。
約1時間かかって辻峠まで戻り、白谷雲水峡目指し、ラストスパート!
30分ぐらい歩くと、苔むす森に着いた。
宮崎駿が「もののけ姫」を作る時に何度も屋久島を訪れてイメージを含まらせたことから、一時期は「もののけの森」と呼ばれていたが、「特定の場所をイメージしたものではない」と、スタジオジブリからクレームが着いて、「苔むす森」に変更したそうだ。
誰かがオッコトヌシに見えると言っていたが、見えますか?
苔むす森から10分位で白谷山荘に着く。ここが最後の水場で、ここまでくればゴールも近い。
白谷山荘からおよそ50分で飛流落としの滝まで着いた。
飛流落としの滝からおよそ15分歩いて、白谷橋まで着いて縦走の全行程を終了した。
そこから迎えにきたバスに乗り、まずは宮之浦でレンタルしたシュラフ等を返却し、その後は、屋久島空港近くの温泉に入ってから、宿に帰った。
まだつづく